名古屋市港区の二葉鍼灸療院-交通事故治療対応
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患者さんの症例【おだいじに】

肝機能低下、高血圧、動脈硬化、糖尿病
患 者 64歳  男性
主 訴 健康診断の結果が良くないので注意しなさいと言われた
現病歴
毎年、1月に会社で健康診断をしてもらっているが、5年ほど前より肝臓の機能の低下と動脈硬
化、高血圧、糖尿病に注意しなさいと言われた。このままでは不安になり、困っていたところ、知
人に鍼治療を勧められ来院した。
社会歴 60歳まで公務員、退職後はビルの警備
症 状 少し肩こり(健康チェック表;1点)
所 見 血圧値;160/108mmHg  身長;162cm 体重;70Kg BMI;26.7(肥満型)
顔色は白色でやや赤ら顔  ビール1日に2本と日本酒2合
血液検査数値;γ‐GTP 84  総コレステロール;245  尿検査;尿糖 +
要 約 この患者さんは代表的なほとんどの成人病の疑いを指摘されています。検査の数値が少し高いが薬を飲むほどでもなく、西洋医学では経過をみる程度の人は多いと思います。このような人でも東洋医学的診断によりどこが弱っているかを把握し、総合的統御系の活性化を目的とし
た全身調整の鍼治療(太極療法)を行った。
経 過 治療開始から3ヶ月間は週に3回、その後は週に1~2回の鍼治療により、1年後の検査数値はほとんど正常値となりました。現在10年間、予防の意味で週に1~2回通院中です。
血液検査数値;γ‐GTP 52  総コレステロール;193  血糖値 96   
血圧値;136/76mmHg   尿検査;尿糖 -
コメント 皆さんの中で、時々頭が痛かったり、下痢をしたり、寝つきが悪かったりというような症状を持っているにもかかわらず、検査を受けても異常がなくて「疲れでしょう」とか「気のせい」と言われてそのまま経過をみるだけという人がいると思います。病気というほどではないですが、何かひっかかる症状を持っている人を半健康といいます。これは病気になる前の予備軍とも考えられますので、放置しておくと重大な病気に発展していく事も考えられます。西洋医学ではこのような患者さんの治療は困難なことが多いのですが、東洋医学(鍼治療)ではこのような状態から健
康に導く事ができます。

高血圧、五十肩
患 者 64歳  女性
主 訴 右の肩が痛い
現病歴
 約1年ほど前から編物を続けてするようになりました。そのせいか、以前からあった肩こりを強く感じるようになりました。
  2ヶ月ほど前から右肩が痛くなり、1ヶ月前から右肩が動かしづらくなりました。整形外科にて五十肩と診断されましたが、特に治療は受けていません。
  3週間ほど前から就寝中の寝返りの時、目が覚めるようになり、眠りが浅い状態が続いています。
  15年前より血圧が高く、薬を飲んでいます。
社会歴 主婦
症 状 右腕を肩より高く上げれない・後に回すことができない、肩こり、耳鳴り、めまい
所 見 血圧値;184/112mmHg  身長;151cm 体重;62Kg BMI;27.2(肥満型)
首から肩・背中・腰まで全体的に硬く、身体全体の関節が硬い
要 約  この患者さんは肩こりがあり肩関節がもともと硬かったことから編物などの疲労から五十肩が発症したものと思われます。
  また、肩関節の痛みから睡眠が十分取れないため、疲労が取れず全身のバランスを崩し、もともと高かった血圧値が高くなったものと思われます。
  したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療(太極療法)と肩関節の鎮痛効果と血行改善を目的とした鍼治療を行いました。
経 過  最低でも週に3回の鍼治療を勧めて行ったところ、約10回の鍼治療で夜間の痛みが和らぎ、15回の鍼治療で血圧値が136/86mmHgとなりました。
  そして、20回(約2ヶ月)ほどで夜間の痛みにより目が覚める症状が消失しました。
  しかし、昼間の肩関節の動かしづらさが残っています。引き続き鍼治療の継続が必要で、現在通院中です。
コメント  不眠の原因には色々ありますが、今回の不眠は痛みによるもので、その結果、血圧値が上昇していました。このような場合、西洋医学では鎮痛剤と睡眠薬を処方しますが、東洋医学では痛みを効率的にとり除き、全身のバランスを整えて総合的に治してゆこうとするものです。
  運動療法も取り入れ、少しでも早く苦痛が取れるように努力しています。
  五十肩は治癒するのに長いもので1年以上かかる場合があります。患者さん個々の状態を正確に把握し、1日でも早く苦痛を取り除くために、日頃の勉強と技術の練磨を怠らないようにしてゆきたいと思います。

肩こり、ふともも後面のつっぱりと痛み
患 者 64歳  女性
主 訴 肩こり、太ももの後が痛い
現病歴
 若い頃から肩こりが強く、ひどくなると頭の後ろまで痛くなったことがあります。
  半年ほど前から、病床の母親を看病するようになりました。母親を抱き上げたり、支えたりといった力のいる仕事をこなしたり、夜中に起こされたりといった疲れがたまってきたせいか、首から肩まで痛くなってきました。
  1ヶ月ほど前から、歩いていたり、立っている時に太ももの後がつっぱって痛みがでるようになりました。その後、夜に寝ていても足のだるさがでて、眠れない時もあります。
  このままでは自分の体もまいってしまうと心配になり、知人に相談したところ、鍼治療を勧められ当院に来院されました。
社会歴 主婦
症 状 肩こり、首の痛み、太ももの後がつっぱって痛い、足がだるい、眠れない、めまい、腰痛
所 見 血圧値;144/88mmHg  身長;159cm 体重;58Kg BMI;22.9(標準型)
歩く姿は猫背で、前のめりぎみで歩く
要 約  この患者さんは看病疲れからうつむきぎみになり、結果的に猫背になって肩こりがひどくなったものと思われます。猫背になったことにより、体が前のめり(前傾姿勢)の状態になると、体を起こそうとして足の後に力が入り、太ももの後の筋肉を普通以上に使うことにより筋肉の疲労が起きてきます。その結果、つっぱり感がでてきたものと思われます。
  また、看病でほとんど外出をしないために運動不足となり、足の血行が悪くなってきたものと思われます。
  そして、睡眠不足から疲労が取れにくくなり、さらに症状を悪化させたものと考えられます。
  したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療(太極療法)で疲労感を取り、頚肩部と下肢の血行改善を目的とした鍼治療を行いました。
経 過  最低でも週に3回の鍼治療を勧めてましたが、看病の関係から週に1~2回程度の鍼治療間隔になりました。開始後、2週間(4回治療)で疲労感が取れ、肩こりが楽になってきました。
  3週間(5回治療)で姿勢がよくなり、夜の足のだるさも改善されました。
  約1ヶ月(8回治療)で太ももの後のつっぱり感がほとんどとれ、体調が良くなりました。よく眠れるようになり、めまいや腰痛も軽減しました。
  現在は1~2週間に1回、疲労回復のために通院中です。
コメント  人間は疲れが溜まると自然と姿勢が悪くなり、うつむきで猫背になってきます。このような状態になると、頭が前に出るため首を常に引っ張っていることになり、これが長年続くと首や肩のこりが強くでてきます。また、姿勢を戻そうと体を起こすために太ももの後や腰が痛くなるものです。この患者さんはこのような悪循環が招いた典型的な症状です。
  このような場合には体調を良くして疲れを取ることによって姿勢が良くなり、肩こりや足の痛みを和らげることができます。
  人間の体のパーツ(部分的な部位)だけをみる傾向がある西洋医学と違い、東洋医学的な考え方は人間の体全体をみることにより治療法を決定してゆくものです。
  西洋医学では検査により様々な原因を把握することができますが、我々は人間の身体をみて、さわって把握してゆくことしかできませんので、診察には細心の注意が必要です。常に向学精神がないとできない診療ですので、気を緩めないよう努力してゆきたいと思います。

C型肝炎
患 者 55歳  男性
主 訴 右肩が痛い、体がだるい
現病歴
 3年ほど前から体がだるく、仕事をするとすぐ疲れるようになりました。そこで、近くの医院で検査の結果、C型肝炎であるといわれました。インターフェロンを勧められている。
  半年ほど前から、仕事に対する集中力がなくなり、午前中の体のだるさがひどくなってきました。
  1週間ほど前から、右の肩が抜けるようないやな痛みがあるため、知人に相談したところ、鍼治療を勧められ当院に来院されました。
社会歴 会社員(荷物の積み下ろしをフォークリフトを使って作業する)
症 状 右肩がだる痛い、体がだるい、疲れやすい、足がだるい、肩こり
所 見 血圧値;126/66mmHg  身長;165cm 体重;67Kg  BMI;24.6
血液検査;GOT(AST) 72  GPT(ALT) 148   ALP 209   γ-GTP 41
要 約  この患者さんの体のだるさや疲れやすさはC型肝炎からくるものと思われます。また、右肩の痛みは仕事の疲れからくるものと思われますが、多少C型肝炎からの影響もあると思われます。
  C型肝炎は血液検査数値をみると現在活動型であると思われます。
  したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療(太極療法)で体調を整え、右肩関節部の血行改善を目的とした鍼治療を行いました。
経 過  最低でも週に3回以上の鍼治療を行った結果、1ヶ月後の検査数値はGOT;41、GPT;72、2ヶ月後の検査数値はGOT;37、GPT;57となり、その後は同じような数値で安定しました。インターフェロン療法は行っていません。また、体のだるさは2ヶ月後には改善され、仕事に対する集中力も出てきました。
  来院されてから現在まで13年が経過しておりますが、現在はGOT;64、GPT;96と若干上昇しておりますが、超音波検査では肝硬変の進展もみられず、最近注目されている血小板数(肝硬変やガンへの進展に伴って減少する)も17.8と正常値を維持しています。
  現在は1週間に2回、肝硬変進展の予防と疲労回復のために通院中です。
コメント  C型肝炎は十年単位で徐々に進行し、肝硬変から肝ガンへ移行してゆく慢性疾患です。したがいまして、鍼治療がどれほど進行を抑えることができるかということに対する科学的な根拠はありません。
  しかし、東洋医学研究所所長の黒野保三先生の基礎的な実験によると、マウスに四塩化炭素(肝臓の毒で肝障害を起こさせるもの)を投与して肝障害を起こさせ、鍼をするマウスと鍼をしないマウスを電子顕微鏡を用いて肝臓組織を比較すると、鍼をするマウスの肝細胞の再生が認められたことを報告されています。また、臨床研究では鍼治療を行うことによりGOT、GPT値の改善が認められ、様々な症状が改善さえている結果を報告されています。このことから、肝疾患に対して鍼治療が有効であることが認められています。
  症状が改善され、日常生活に支障がないようにすることがすべての病気の治療に対して一つの目標でもあります。治療が長期にわたる慢性疾患ではそれ以上悪くしないような予防も視野にいれた鍼治療を心掛けてゆきたいと思います。
  最後に、C型肝炎やエイズは鍼治療で移ると言われていますが、確かにC型肝炎患者さんに使用した鍼を違う人に使えば移る可能性があります。しかし、当院をはじめ、東洋医学研究所や東洋医学研究所グループは完全に使い捨ての鍼を使用し、手指の消毒も万全ですので、移る心配はありません。安心して来院して下さい。

小児の夜泣き
患 者 1歳  女児
主 訴 夜泣き
現病歴
 3日ほど前から、一晩に2~3回ほど泣くようになった。
 昼間はちょっとしたことでも怒ったりする行動がみられるが、熱があるわけでもなく、夜になると泣くので心配になり来院。
社会歴 父親は会社員で忘年会等で毎晩遅く帰る、母親は主婦
症 状 夜泣き、かんが強い
所 見 特になし
要 約  この患者さんは典型的な小児の夜泣きです。子供は環境の変化に敏感で、ちょっとしたことでもすぐ心や体のバランスを崩しやすいのです。
  この子供の場合、今まで父親が夜には居たのに急に居なくなったことが原因で不安になった結果に生じたものと思われます。
  また、よく話を聞くと、母親が夫の帰りが遅くてイライラしがちだったことも後になって判明しました。
  したがって、総合的統御系の活性化を目的とした小児鍼を行いました。
経 過  毎日鍼治療を行いました。その結果、1回の鍼治療でその晩は1回だけ起きましたが激しく泣くことはなく、2回の鍼治療でその晩は1回も泣くことがなくなりました。
  母親には日頃からイライラしないようにお願いしました。父親は3日後から普通に帰宅するようになりました。
  3回の鍼治療で終了しましたが、子供は敏感であることを伝え、夜泣きかなと思ったら早めに来院するように勧めました。
コメント  小児に対して行う鍼治療を小児鍼(しょうにしん)と言います。この小児鍼は大人の鍼のように鍼を体に刺すのではなく、体に鍼を当ててこするようにする方法ですので、子供は痛たがらずに、むしろ気持ちいいので喜んでいるのがわかります。もちろん、大人の鍼も一定の技術があると痛くなく鍼を体に刺すことができます。夜泣き、かんむし、夜尿といった症状はこのように精神面からくる場合が多いのです。
  子供は敏感ですので環境の変化で体調を崩しやすい反面、少しの適度な刺激でバランスを整えて元に戻ろうとします。安心して来院して下さい。

腰痛
患 者 40歳  男性
主 訴 腰が痛い
現病歴
 5日ほど前、仕事を終えて帰宅する途中に腰の重だるさを感じた。その日の夜、腰の痛みで目が覚めた。
  次の日の朝、動くのがつらく、左膝まで痛くなったので、近所の整形外科を受診、レントゲンでは異常がなく、湿布と鎮痛薬をもらって飲んでいたが良くならず、仕事も休んでいたがあまり良くなってこないので、来院した。
社会歴 建築会社で事務職、1ヶ月に2~3回現場に出るが、重い物は持たない
症 状 特に左の腰が痛い・中腰や長時間の座位で痛みが強くなり、立ち上がるのが困難・右膝の痛み
所 見 ヘルニア症状(自覚症状や徒手検査など)はなし、後屈(腰を後に反らす)時痛、背中に近い所の痛みと圧痛あり、運動はほとんどしない
要 約  この患者さんは椎間関節の異常があります。これは背骨のひとつひとつをつないでいる関節で、負担ががかかることにより、その部位の関節が炎症を起こすことによって起こるものとされています。
  したがって、血行改善と鎮痛効果を目的とした鍼治療を行いました。
経 過  毎日鍼治療を行いました。その結果、2回の鍼治療で仕事ができるほど回復し、3日後から仕事に復帰されました。しかし、腰の重だるさはあり、長時間座位の後の立ち上がり動作が完全ではないので、合計8回の鍼治療を行い、痛みがほとんどなくなったので治療を終了しました。
  また、3回目から筋力の改善を目的に腰痛体操を行っていただきました。腰痛体操は当分の間続けて頂くようにお願いしました。
  痛みが出る前の仕事の内容が体にとっていつもよりハードな内容であったものと思われ、その結果として膝の痛みも出たものと思われます。腰痛の改善と共に膝の痛みも改善しました。
コメント  事務職の人は運動不足の人が多く、腰部の筋力が低下していることが多く、上半身を支えるだけの筋力でない場合、何かのきっかけで腰痛を発症することが多いのが現状です。一般に事務職に椎間板ヘルニアが多いとされるのはこのことからいえるのだと考えられます。椎間板の他に今回のような椎間関節の痛みも多いことから、痛みをある程度和らげたら運動をして腰の筋力増強を行うようにしなければいけません。そのためには適確な指導のもとに腰痛体操を鍼治療と平行して行っていただくとより効果です。
  腰痛には様々な原因がありますが、これをある程度把握する目的で東洋医学研究所ホームページのコラム6月号に掲載させて致しましたので、是非一度ご覧下さい。

更年期障害
患 者 53歳  女性
主 訴 頭が重い
現病歴
 8年ほど前より血圧が高く、降圧薬を飲んでいる。5年前より頭が重い状態が続いている。
  半年前に卵巣膿腫で手術をしてから、眠れない、冷や汗などの症状が出て、体調が悪くなった。
  病院でホルモンのバランスが悪いといわれホルモン剤を飲んでいる。
  知人の紹介で来院した。
社会歴 主婦
症 状 頭に物を載せられたような重さ、首の周りがしびれる、眠れない、冷や汗、やる気がない
所 見 血圧;/186/96mmHg、ボーっとしていて元気がない
要 約  この患者さんはホルモンのバランスの崩れ・自律神経のバランスの崩れなどから更年期障害としての様々な症状が出現しているものと考えられます。高血圧もその一つの症状と考えられます。
  したがって、総合的統御系の活性化を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  毎日鍼治療を行いました。その結果、1ヶ月後には頭の重さが取れ、3ヶ月後には体調が戻って日常の仕事が十分に出来るようになりました。
  その後は週に2回の鍼治療で体調を整えながら経過を追っています。
  血圧値は1ヶ月後には132/74mmHgとなり、安定してきました。また、良く眠れるようになりました。
  現在は調子が悪い時には毎日、調子が良ければ1週間~10日に1回の割合で予防の意味で通院されています。
コメント  更年期障害は女性なら誰でも体験するものですが、その症状には軽い人から重くて動けなくなる人まで様々です。
  現在、自律神経のバランスを整える治療法は少なく、その有効性が正しく示されていないのが現状です。鍼治療のその一つであり、今後は症例を積み重ねて鍼治療の有効性を客観的に検討してゆく必要があります。
  現在、 社)全日本鍼灸学会愛知地方会には研究部として不定愁訴班があり、不定愁訴(更年期障害も含む)に対する鍼治療の有効性を検討されています。私も班員として参加していますので、より良いデータが示されたらお知らせします。

膝痛
患 者 69歳  女性
主 訴 膝が痛い
現病歴
 1年程前に、法事で長時間正座をしたり、お通夜で長時間雨の中を立っていたりと膝に負担をかけたせいか、その頃から、朝起きた時に立ち上がるのがつらく、雨の日には1日中、痛みが強くて外出できない状態が続くようになった。
  近くの病院でレントゲンやMRIをとってもらったが、老化と言われるだけで、治療は病院内のプールで歩行訓練をするだけだった。
  あまり、変化がないので知人の紹介で来院した。
社会歴 無職(ほとんど自宅にいる)
症 状 両膝(特に右)の内側が痛く階段の昇り降りがつらい、正座ができない、歩くとつまずきそうになる
所 見 膝のO膝変形、膝が伸びきっていない、両足のむくみ
要 約  この患者さんは普段からの運動不足により足の筋力が弱くなり、膝にかかる負担が大きくなっているところに、過剰な負担をかけたことにより膝の痛みが発症したものと思われます。
  したがって、総合的統御機構の活性化を目的とした鍼治療と、膝の血行改善と鎮痛効果を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  週に3回の鍼治療を行いました。その結果、2週間後には膝のむくみが取れ、膝の曲げ伸ばしが楽になってきたので、できる限り外出して足を使って筋力アップを行ってもらいました。
  約2ヶ月で階段の昇り降りが楽にできるようになり、半年後にはツアーを組んだ旅行に行けるようになりました。
コメント  膝の痛い人は痛いから外出しなくなります。その結果、足の筋肉が衰え、さらに悪くなってゆく悪循環に陥りやすいものです。
  膝の痛い人のほとんどは膝が完全に伸びない状態です。上向きに横になった時に、膝と床の間があいてきます。ひどい人は握りこぶしが入るほどです。このような状態では膝の一部分にしか体重がかからず、膝の骨の変形を早めてしまいます。したがいまして、このような状態から膝がまっすぐになるように軽く矯正をしながら鍼治療を進めていきます。よほどひどくなければ5~6回ほどでまっすぐ伸びるようになってきますので、この頃から散歩などをして膝周辺の筋肉を鍛えて膝に過剰な体重がかからないようにしてゆきます。
  現在、(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部疼痛疾患班で膝痛に対する症例集積を行っておりますので、結果が出たらご報告いたします。

自律神経失調症、不眠、頭痛
患 者 61歳  女性
主 訴 眠れない、頭が痛い
現病歴
 若い頃から眠れない時があった。
  10年程前に、頭が痛く、めまいがするようになった。近くの医院で自律神経失調症と言われ、薬を飲んでめまいは治ったが、後頭部の痛みが時々強くでるようになった。
  1ヶ月程前から、夜眠れない症状がひどくなり、10時頃布団に入っても2時~3時頃まで眠れず、その後朝まで何度も目がさめて、すっきり眠れることがなくなってきたので、知人の紹介で来院した。
社会歴 無職(ほとんど自宅にいる)
症 状 眠れない、後頭部痛、立ちくらみがある、肩こり、体がだるい
所 見 ボーッとした感じで、無気力、昼間に時々眠たくなる、睡眠薬の服用はなし
要 約  この患者さんは普段から運動不足で体を使わないために睡眠がとれず、体がだるくなるため運動できないといった悪循環を招いています。
  自律神経のバランスの崩れも不眠へとつながっており、様々な症状が出現しているものと思われます。
  したがって、総合的統御機構の活性化を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  週に3回の鍼治療を行いました。その結果、3週間後に寝つきが良くなり(布団に入って1時間後に眠れる)ました。しかし、眠りが浅く、早朝(4時頃)に目がさめ、それからは眠れない状態が続きました。
  3ヶ月後には6時間ほど眠れるようになり、その間は目がさめないようになりました。
  頭痛は激しい痛みがなくなり、肩こりもずいぶん良くなりました。
  約1年間の継続した治療により体調が整いました。現在は1ヶ月に1回ほどの鍼治療を継続しています。
コメント  不眠を訴える患者さんは運動不足で体の疲れが少なく、精神的な疲れが多い人が多いようです。したがいまして、この患者さんには、午前30分、午後30分の軽めの散歩をしてもらうようにお願いしました。
  また、自律神経のバランスを整える意味で、朝晩の乾布摩擦を勧めました。
  運動と乾布摩擦に加え鍼治療を行うことにより、自律神経のバランスが整い、様々な症状が改善したものと思われます。

脳卒中の後遺症
患 者 75歳  女性
主 訴 脳卒中の後遺症で体調が良くない
現病歴
 半年前に脳卒中で倒れ、入院。幸い比較的軽かったが、半身の麻痺と言語障害があり、リハビリに通って何とか歩けるようになったが、手足が動かしにくく、自分の人生がつまらなく感じたせいか、最近、やる気がなくなった。
  言語障害もやや残り、人と話すのがいやになりかけてきた。
  そのような状態を見かねて、知人が鍼治療を紹介し、来院した。
社会歴 無職(ほとんど自宅にいる)
症 状 歩きにくい、膝が痛い、朝に手足がこわばる、しゃべりにくい
所 見 やや無気力で元気がない
要 約  この患者さんは脳卒中の後遺症から運動不足を招き、全身の筋力低下を起こしているものと思われます。また、今後の不安などの精神的ストレスが自律神経のバランスを崩し、ますます悪い状態になっているものと考えられます。
  したがって、総合的統御機構の活性化を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  週に2回の鍼治療を行いました。その結果、1ヶ月後には付き添いがいらなくなるほど足取りが良くなり、明るく元気な表情に変わってきました。
  2ヶ月後には週に2回程、プールで泳げるまでに回復し、膝の痛みが随分やわらいできました。言語障害もできる限り人と話をするように指導した結果、ほとんどわからなくなってきました。
  半年後の現在も体調を整えることを目的に、週に2回の鍼治療を受けられています。
コメント  脳卒中による後遺症の治療に対しては、まず本人のやる気が起きなければどうしようもありません。それには精神的なサポートが必要です。 次に、筋肉を効率良く動かすためには常に筋肉の血行を良くする必要があり、この作用を鍼治療が受け持ち、リハビリを行い易い状態に持ってゆくことができるものと思われます。
  鍼治療により、痛みがあればそれをやわらげ、関節が固まらないようにするために動かせるような環境作りが大切であると思います。

肩こり、左腕のしびれ(胸郭出口症候群)
患 者 27歳  女性
主 訴 肩こり、左腕のしびれ
現病歴
 若い頃から、肩こりが強かった。
  2週間程前から、事務的な仕事を長時間すると左腕がしびれるようになった。
  母親が鍼治療で調子が良いので、その紹介で来院した。
社会歴 事務職
症 状 顔を右に向けると左腕がしびれる、左手で傘を持つと左腕がしびれる、肩こりがひどい、目の疲れ、コメカミの痛み
所 見 胸郭出口症候群(斜角筋症候群)を疑う徒手検査が陽性
首が長くてなで肩
肩こりとしびれの程度を把握するVAS(今までに最も強く感じた肩こりやしびれを100とした現在の状態)では、
肩こり:100  しびれ:86
要 約  女性で首が長くなで肩の人で、肩こりがひどい場合、胸郭出口症候群(牽引型)を疑って徒手検査を行います。その結果、徒手検査は陽性であり、本症を疑いました。
  したがって、首から肩の血行改善と総合的統御機構の活性化を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  2回目の治療後には肩こりのVASは49と半減しましたが、しびれ感は67でした。
  12回の鍼治療で肩こりのVASは31、しびれのVASは43と改善し、医学統計的にも有意な改善が認められました。
  現在も健康維持の目的で月に1回通院されています。
コメント  胸郭出口症候群は一般に若い女性に多く、体型的に首が長くてなで肩の人に多いとされています。筋力が弱いために起こるもので、片方の肩にかばんを下げている状態を長期間続けて発症する人もいます。
  日常生活のちょっとした注意で症状はずいぶん良くなりますので、是非、ご相談下さい。

高血圧、健康維持
患 者 71歳  男性
主 訴 血圧を下げたい、健康になりたい
現病歴
 仕事をしている60歳頃から健康診断で血圧が高いと言われ続け、2年程前より降圧剤を飲んでいる。
  両親が血圧で亡くなっているので不安であり、昨年に仕事をやめ、これからゆっくりできると思っているが、それには健康が一番だと思い、知人が鍼治療で健康そうなので、その知人の紹介で来院した。
社会歴 無職(昨年まで公務員)
症 状 血圧が高い(降圧剤服用で136/90mmHg:常に下の血圧が95以上)
所 見 やや元気がない
要 約  この患者さんは仕事のストレスで高血圧状態が続き、降圧剤服用でも拡張期血圧値(下の血圧)が90mmHg以上あり、血管の弾力が少ないものと思われます。
  したがって、総合的統御機構の活性化を目的とした鍼治療を行うことにしました。
経 過  初めの2ヶ月間は週に3回の鍼治療を行いました。その結果、1ヶ月後には124/84mmHgとなり、2ヶ月後でも拡張期血圧値が安定していたので担当医に相談したところ、少しの間、薬を止めることになりました。
  やめた当初は92~96mmHgでしたが、徐々に低下して84mmHgまでになり、この冬の間も良好でした。
  現在も体調を整えることを目的に、週に2回の鍼治療を受けられています。
コメント  高血圧は一生薬を飲み続けなければいけないと言われていますが、日常生活に注意して、鍼治療を行うことにより薬を飲まなくても血圧が安定してきます。
  このような症例が増えてくると鍼治療の有効性をより客観的にみてゆく事ができると思います。
  高血圧は長期の経過が必要ですので、今後も経過をみてゆきたいと思います。